インフルエンザの予防接種を実施するに当たって、受けられる方の健康状態をよく把握する必要があります。そのため、表面の予診票に出来るだけ詳しくご記入下さい。お子さんの場合には、健康状態をよく把握している保護者がご記入下さい。
予防接種により、インフルエンザの発病を阻止したり、インフルエンザによる合併症や死亡などを予防することが期待されます。
一方、副反応は一般的に軽微です。注射部位が赤くなる、腫れる、硬くなる、熱をもつ、痛くなる、しびれる、小水疱、蜂巣炎などがみられることがあります。過敏症として、発しん、じんましん、湿疹、紅斑、多形紅斑、そう痒、血管浮腫、精神神経系として、頭痛、一過性の意識消失、めまい、顔面神経麻痺等の麻痺、末梢性ニューロパチー、失神・血管迷走神経反応、しびれ感、振戦、消化器として、嘔吐・嘔気、腹痛、下痢、食欲減退、筋・骨格系として、関節痛、筋肉痛、筋力低下があらわれることがあります(いずれも頻度不明)。その他に、発熱、悪寒、 怠感、リンパ節腫脹、咳嗽、動悸、ぶどう膜炎があらわれることがあります。強い卵アレルギーのある方は、重篤な副反応を生じる可能性がありますので必ず医師に申し出て下さい。
非常にまれですが、次のような重篤な副反応が起こることがあります。
(1)ショック、アナフィラキシー(じんましん、呼吸困難など)
(2)急性散在性脳脊髄炎(接種後数日から2週間以内の発熱、頭痛、けいれん、運動障害、意識障害など)
(3)脳炎・脳症、脊髄炎、視神経炎
(4)ギラン・バレー症候群(両手足のしびれ、歩行障害など)
(5)けいれん(熱性けいれんを含む)
(6)肝機能障害、黄疸
(7)喘息発作
(8)血小板減少性紫斑病、血小板減少
(9)血管炎(IgA血管炎、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症、白血球破砕性血管炎等)
(10)間質性肺炎
(11)皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)
(12)ネフローゼ症候群
このような症状が認められたり、疑われた場合は、すぐに医師に申し出て下さい。なお、健康被害(入院が必要な程度の疾病や障害など)が生じた場合については、健康被害を受けた人又は家族が独立行政法人 医薬品医療機器総合機構法に基づいて救済手続きを行うことになります。
1. 明らかに発熱のある人(37.5℃以上の人)
2. 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな人
3. 過去にインフルエンザワクチンの接種を受けて、アナフィラキシーを起こしたことがある人、又は、過去にその他の原因でアナフィラキシーを起こした人は、接種を受ける前に医師にその旨を伝えて判断を仰いで下さい。
4.その他、医師が予防接種を受けることが不適当と判断した人
1.心臓病、腎臓病、肝臓病や血液の病気などの人
2.発育が遅く、医師、保健師の指導を受けている人
3.かぜなどの症状が出はじめたと思われる人
4.予防接種を受けたときに、2日以内に発熱のみられた人及び発しん、じんましんなどのアレルギーを疑う異常がみられた人
5.薬の投与又は食事(鶏卵、鶏肉など)で皮膚に発しんが出たり、体に異常をきたしたことのある人
6.これまでにひきつけ(けいれん)を起こしたことがある人
7.過去に本人や近親者で検査によって免疫状態の異常を指摘されたことのある人
8.妊娠している人
9.間質性肺炎、気管支喘息などの呼吸器系疾患のある人
1.インフルエンザワクチンの接種を受けたあと30分間は、急な副反応が起きることがあります。接種した医療機関に留まるなどして、様子を観察し、医師とすぐに連絡がとれるようにしておきましょう。
2.接種部位は清潔に保ちましょう。接種当日の入浴は差し支えありませんが、接種部位をこすることはやめましょう。
3.接種当日はいつも通りの生活をしていただいてかまいません。ただし、激しい運動は避けましょう。
4.万一、接種後、接種局所の異常反応や体調の変化があらわれた場合は、速やかに医師の診察を受けてください。